自然写真には、息をのむような一枚を撮るための道がいくつもあります。そこで選べるのが、自然の美しさをきわだたせるためのさまざまな写真スタイルです。ここからは、自然写真でとくに好まれている写真スタイルをいくつか紹介します。
風景写真の作例

- 風景写真:ここでめざすのは、風景の美しさをその全景のままとらえることです。広く開けた土地、山、森、川が代表的な被写体になります。風景の美しさをいちばんよく引き出すには、露出を適切に決めることが欠かせません。風景写真は、自然の美しさをもっとも純粋な形でとらえる技です。堂々とした山や広い谷から、絵のような海岸線や波打つ野原まで、自然をあらゆる面から映し出すジャンルです。風景写真は、辛抱強さと創造力の両方を求められる分野でもあります。辛抱強さが要るのは、ここぞという瞬間をとらえ、理想の光を見つけることがものを言うからです。創造力も欠かせません。その場の自然な美しさと空気をいちばんよく映す形で、情景をとらえていくことになります。
いい風景写真のために欠かせないのが、立ち位置の選び方です。立ち位置ひとつで、ありふれた風景写真と息をのむ一枚とが分かれます。いちばんいい立ち位置は時間帯と天気によって変わることが多く、光の条件も風景の空気も、時間と天気しだいで大きく移ろうからです。
風景写真でもうひとつ考えておきたいのが、機材選びです。質のいいカメラ、三脚、広角レンズ、そしてリモートレリーズが、いい風景写真の土台になることが多くあります。偏光フィルターも、水面やガラス面の反射を抑え、色とコントラストを強めるのに便利です。
後処理では、写真から最良のものを引き出すために、色、露出、コントラストをていねいに調整することが欠かせません。ただし、やりすぎないこと、風景の自然な美しさを保つために写真をできるだけ実際の姿に近く保つことも同じように欠かせません。
風景写真は幅の広いジャンルで、古典的なモノクロ写真から現代の高精細パノラマまでを含みます。私たちを取り巻く世界の自然な美しさをほかにない形で映し出し、その美しさを大切にし、守っていこうという気持ちを呼び起こす表現です。
野生動物写真の作例

- 野生動物写真:ここでめざすのは、動物をその生息環境のなかで撮ることです。いい野生動物写真家には、動物を自然の環境で観察して撮るための辛抱強さと粘りが欠かせません。カメラ設定は、さまざまな状況で動物をいちばんよく写しとるための道具として、大きな役割を果たします。ただしそれは、この分野でずば抜けた一枚を得るために必要なもののひとつにすぎません。野生動物写真は、写真のなかでもっとも心を引かれ、もっとも歯ごたえのある形のひとつです。よい目と技術の知識だけでなく、辛抱強さ、粘り、そしてしばしば運も求められます。野生の動物をその環境のなかで撮り、その美しさと気品を書きとめる。その魅力は、多くの写真家にとってあらがいがたいものです。
野生動物写真をうまく運ぶには、多くの計画と準備が要ります。動物を観察するのにいちばんいい場所と時間を見つけ、動物のふるまいと習性を知り、ふさわしい機材と技術を選ぶことです。野生動物写真がうまくいくかどうかは、とりわけ光、構図、ピント、そして露出で決まります。
もうひとつ欠かせないのが、動物とその生息場所への倫理的な向き合い方です。動物を乱したり危険にさらしたりせず、自然保護の決まりと法律を守ることです。写真家として、動物とその環境を敬い、守る責任があると意識しておくことも同じように欠かせません。野生動物の写真は、どんな犠牲を払ってでも撮るべきものではありません。
野生動物写真には数えきれない可能性があります。サバンナに立つライオンの堂々とした美しさから、庭にいるチョウのごく小さな細部まで。ただしそこに求められるのは、辛抱強さと粘り、そして動物とその環境への深い敬意でもあるのです。この歯ごたえに向き合う気持ちのある人にとって、この分野は自然の美しさと多様さを味わい、分かち合うための、ほかにない実りある道になります。

マクロ写真の作例

- マクロ写真:ここでめざすのは、自然のなかの小さな細部をとらえることです。花、昆虫、植物、そして模様が代表的な被写体になります。細部をくっきりと写しとるために、マクロ撮影では専用の機材が必要になることもしばしばです。マクロ写真は小さなものを撮ることに絞った分野で、その細部と質感をとらえます。ふだんなら目を留めない日用品や生きものを、その写真によって新しい視点から見せてくれる、心を引かれる分野です。
この写真スタイルは屋内でも屋外でもこなせますし、いい結果を出すための道はいくつもあります。たとえば花や植物、昆虫やそのほかの小さな生きもの、それに質感や表面の接写が、マクロ写真で探れる題材です。
いいマクロ写真のためには、ぶれを避けられるだけのカメラ機材としっかりした三脚が欠かせません。あわせて、ねらいどおりにピントを合わせるために、絞りと被写界深度の設定にも慣れておくことです。被写体にもっと寄って、さらに細部をとらえるために、専用のマクロレンズを使う写真家もいます。
ふさわしい被写体を見つけ、それを正しいやり方で撮るのは難しいものです。いい結果を出すには、多くの練習と試行も要ります。それでも、肉眼ではふだん気づけない驚くような細部と質感をとらえられたとき、その手間は報われます。
自然写真においてマクロ写真は欠かせない分野です。自然の美しさと入り組んだ姿を、すぐそばから眺めさせてくれるからです。植物、昆虫、そのほかの動物のほかにない特徴をとらえるために、自然写真でマクロを生かす道は尽きません。たとえば花や葉の色と質感を前面に出すこともできますし、チョウの翅やコウチュウの外骨格のほかにない細部を写真に書きとめることもできます。
モノクロ写真の作例

- モノクロ写真:自然をモノクロで表すと、独特の空気が生まれます。自然の美しさを別のやり方できわだたせられるのです。ここではコントラストと階調が、写真の空気をつくるうえで大きな役割を果たします。自然写真でどの写真スタイルを選ぶかを決めるときは、被写体と、写真に持たせたい空気を見すえておくことが欠かせません。いくつかの写真スタイルを組み合わせて、ほかにない、心に残る一枚をつくることも可能です。
心に残る自然写真を撮ってみたい方は、ふさわしい機材と自然写真の最新の技術について、当サイトで調べてみてください。初心者にも経験者にも役立つコツを用意していて、自然写真をひとつ上の段階へ運ぶ助けになります。モノクロ写真が生むのは、時代に左右されない、感情に届く写真です。色がないぶん、撮る側は形、質感、明るさ、コントラストに集中して、強い視覚的な言い分をつくることになります。その結果としてできあがるのは、多くの場合、ある空気をまとい、物語を語る写真です。
モノクロ写真には長い歴史があります。写真の始まりは、色のある写真なしで成り立つほかなかったからです。最初の写真は単色で、カラーフィルムが生まれたのは1930年代になってからでした。写真の草創期には、モノクロ写真が写真をつくる唯一の道と見なされていました。カラー写真が少しずつ広まったのは、その後のことです。
今日、モノクロ写真は芸術的な表現の手立てとしてよく使われます。写真家はこれを使って現実を別のやり方で示し、見る人の目を本質に向けさせます。写真にある空気をつくるために、コントラストを強め、暗い影を生かすことも多いものです。モノクロ写真は、抽象的な形や構造をきわだたせるのにも役立ちます。
モノクロ写真をつくる方法はいくつかあります。ひとつは、カメラをモノクロモードにして、はじめからモノクロで撮る方法です。もうひとつは、後処理で色を取り除き、コントラストと明るさを整えて写真を変換する方法です。
モノクロ写真はあらゆる被写体に使えます。風景にも、ポートレートにも、建築の撮影にも。ある空気やある言い分をつくるために、抽象的で実験的な写真に使うこともできます。
このようにモノクロ写真は、時代に左右されない、感情に届く写真を生む、心を引かれる表現です。写真の大きな一部であり、これからも芸術のなかで役割を果たしていきます。


