Sony a6700野生動物撮影テスト:他のレビューが見せない部分

Sony a6700野生動物撮影テストのタイトル写真

テストの要点

ひと目でわかる要点

時間がない場合は、ここに要点をまとめてあります。各項目をタップすると内容が開きます。

購入前に考えたこと
  • なぜa6700なのか フォーカスブラケット、静止画と動画の両立、手持ちのソニー機材との互換性を求めた機材の補強
野生動物撮影テストの準備と実施
  • 撮影地 ザールラント、バイエルン、ミッテルフランケン、オストアルゴイ、ニュルンベルク
  • レンズ Sony 100-400mm GM、200-600mm G、400mm F2.8 GM
  • 野生動物撮影のカメラ設定 AF-C、親指AF、Hi+、RAW
第一印象と実戦での使用
  • ハンドリング 良好。ただし手の大きい方には慣れが必要か、小さすぎる
  • AF 高速。ただし動きの速い被写体では精度が落ちることがある
  • 画質 光の条件が良ければ非常に優秀。ダイナミックレンジも広い
  • 動画 4K 120fps、いわゆる「スーパークロップファクター」付き
結論:a6700は野生動物撮影に向くのか
  • すでにソニー機を使うプロには 補完として有効。特にマクロと動画。ただし必須ではない
  • これから始める方には a7 IVなどの選択肢のほうが合う場合がある
  • 価格と性能 約1600ユーロ。良い技術と、いくつかの妥協点
長所と短所の要点

長所

  • 静止画と動画の画質が非常に高い
  • AFが速い
  • ボディの造りが良い
  • 軽量で使い方の自由度が高い
  • 4K 120fpsの動画が撮れる
  • Eマウントでフルサイズ用レンズが使える

短所

  • バッテリーの消費が大きい
  • SDカードスロットが1基のみ
  • ローリングシャッター歪みが大きい
  • フォーカスエリア選択用のジョイスティックがない
  • 手の大きい方にはボディが合いにくい
  • 電子シャッターは使える場面が限られる
  • 充電器が同梱されない
  • ファインダーが小さく解像度も低い
  • 握り心地は限定的
  • ダイヤルに中央ロックがない

冒険のはじまり:a6700野生動物撮影テストのはじめに

Sony a6700を野生動物撮影や自然写真のために購入しようか迷っている方は、この記事が出発点になります。ここでは、このカメラを長期間使ってみた最初の実感をまとめました。数週間にわたる野生動物の撮影行で、Sony a6700をメイン機として使い、その間はSony A1を休ませています。APS-C機での撮影には、100-400mm F4.5-5.6 GM、200-600mm F5.6-6.3 G、400mm F2.8 GMといったフルサイズ用レンズを組み合わせました。

特別な準備はせず、カメラをつかんで出かけただけです。技術仕様を詳しく知りたい方は、ソニーの公式サイトをご覧ください。このテストで取り上げるのは、撮影中に気づいた点と、この分野で自分にとって重要な点だけです。あわせて、この用途のためにSony a6700で行った主要な設定も掲載しています。

この記事が特に役に立つ方

野生動物撮影を始めて間もなく、Sony a6700が気になっていて、この分野に合うカメラの購入を目前にしている方には、特に役立つ内容です。自然写真の現場でSony a6700がどこまでやれるのかを知りたい方にも向いています。

なぜSony a6700を選んだのか

購入の動機は、野生動物撮影用の新しいメイン機を探すことではありませんでした。むしろa6700で機材の幅を広げたかったのです。フォーカスブラケットを備え、静止画と動画の両方をこなすソニーのAPS-Cハイブリッド機を、以前から待っていました。

手持ちの機材はほとんどがソニーで揃っているため、マクロ撮影、ロケハン、旅、記録用に合う一台を探していました。それまではこの役割を古いLumix G81に任せていましたが、異なるシステムを行き来するのは長い目で見ると煩わしく感じます。a6700なら全体がひとつにまとまり、手持ちのソニー機材を無駄なく使えます。4Kかつ120fpsで「スーパークロップファクター」の動画を撮れる点も、a6700を選ぶ後押しになりました。

野生動物撮影では主にフルサイズ機を使ってきたので、APS-Cの世界は比較的新しい領域でした。最後に写真を作るのは撮影者だとしても、この分野では機材が結果を左右します。だからこそ、手持ちのフルサイズ機と比べてa6700がどこまで通用するのかに関心がありました。

はっきりさせておくと、このテストで書くのは個人的な実感であり、カメラを不必要にけなすことも、過剰に持ち上げることもしません。ネット上のレビューでは、その両方が当たり前のように起きているように見えます。フルサイズ機を引き合いに出す場面は多いものの、条件の違うもの同士を並べて比べられないことは承知しています。この記事が扱うのは野生動物撮影だけで、そこには固有の要求があります。網羅性を主張するつもりもありません。一本の記事でそれは不可能です。

ドイツでの野生動物撮影は条件が厳しく、光に恵まれない場面が多くあります。樹林限界、森、起伏のある地形、山、谷、あるいは単に悪天候が理由です。だからこそ、現場の実条件でa6700がどう振る舞うかを見ておきたいと考えました。この記事に掲載した動物の写真は、マクロを除いてすべて野外の野生動物を撮ったものです。

野生動物撮影テストの準備と実施

まず、このテストのために選んだ撮影地を紹介し、そこで撮った写真を解説なしで並べます。そのあとで使用機材とカメラ設定に触れます。この部分に関心がない場合は、実際の使用感、現像前後の比較、動画、最後の結論へ直接進んでいただいて構いません。

更新情報:Sony a6700で撮った最新の写真は、日本取材のライブブログ記事にも掲載しています。

撮影地の概要:ザールラントからバイエルンまで

発見の旅:ザールラント州ブリースガウ生物圏保護区

ザールラント州ブリースガウ生物圏保護区の風景
ザールラント州ブリースガウ生物圏保護区。a6700 + Sony 16-50mm F3.5-5.6 OSSキットレンズ(APS-C)で撮影

ザールラント州のブリースガウ生物圏保護区は、緑の植生と秋の気配が混ざる変化に富んだ舞台でした。この保護区を訪れたのは初めてで、まず立ち位置を探し、めまぐるしく変わる光に合わせていく必要がありました。ここでは小さなハイブリッド機で、ヌートリア、エジプトガン、アオサギ、ニシコクマルガラスを捉えています。

カメラ:Sony a6700・レンズ:Sony 400mm F2.8 GM

原野の探索:バイエルン州オーバープファルツ

オーバープファルツの水辺の早朝の情景

手つかずの自然が残るバイエルン州オーバープファルツでは、二日に分けて撮影できました。土地勘があるので下調べは不要で、いずれも日の出の2時間前からブラインドに入っています。移ろう光、とりわけ水面を覆う霧が、ほかにない瞬間を作ってくれました。Sony a6700と数本のレンズで、カワセミ、ホシムクドリ、アオサギ、クロウタドリの静止画と動画を残せています。

カメラ:Sony a6700・レンズ:Sony 200-600mm Gと、1.4xテレコンを付けたSony 400mm F2.8 GM

自然体験:ミッテルフランケンの池沼地帯

夕方の光に包まれたミッテルフランケンの池沼地帯
Sony a6700 + Sony 100-400mm F4.5-5.6

ミッテルフランケンの池沼地帯を夕方に歩いたときは、a6700にSony 100-400mm F4.5-5.6 GMを付けて撮りました。コウノトリと藻(面白いテクスチャー)のほか、夕日の光を使って黄金色に染まるホシムクドリとハクチョウも撮影できました。

カメラ:Sony a6700・レンズ:Sony 100-400mm F4.5-5.6 GM

撮影の冒険:オストアルゴイ

アルゴイの川床にいるカワガラス

アルゴイで待っていたのは秋の風景でした。a6700とSony 200-600mm Gで、早朝にさまざまな動物の静止画と動画を撮っています。川床に腹ばいになり、水面と動物の目線の高さで過ごす時間は、この自然のなかでの得がたい体験でした。ノロジカのオス、キセキレイ、アオサギ、カワガラスが、すぐそばまで来てくれました。

上の写真のとおり、ここではSony A1に400mm F2.8 GMと1.4xテレコンを付けたものも併用しました。ブルーアワーや、カメラに向かってまっすぐ飛んでくる場面など、条件の難しいカワガラスを狙うためです。それまでの撮影行で分かったとおり、a6700には荷が重い条件でした。

カメラ:Sony a6700・レンズ:Sony 200-600mm G

街に近い自然:ニュルンベルクのドゥッツェントタイヒとヴァルツナーヴァイアー

池のほとりで使用中のSony a6700と100-400mm GM

ニュルンベルクのドゥッツェントタイヒとヴァルツナーヴァイアーは、街のすぐそばで自然に触れられる場所です。ここではSony a6700に数本のレンズを付け、野生動物にとって比較的落ち着いたこの環境の生きものの多様さを記録しました。

カメラ:Sony a6700・レンズ:Sony 100-400mm F4.5-5.6 GMとSony 200-600mm F5.6-6.3 G

詳しく見る:a6700の屋内マクロテスト

スタジオでのSony a6700と接写リングによるマクロ撮影のセットアップ

マクロのテストはスタジオに近い環境で行いましたが、この用途に最適化した設備はまだ整っていません。Sony a6700、Tamron 28-75mm F2.8、接写リングの組み合わせで、このカメラでのマクロ撮影を初めて試しています。ここではフォーカスブラケット機能を使いました。

カメラ:a6700 + Tamron 28-75mm F2.8 + 接写リングMEIKE MK-S-AF3A 10mmと16mm

ひとつ補足です:写真の昆虫を殺したわけではなく、すでに死んでいた個体です。見つけたときに一年を通して死んだ昆虫を集めておき、寒い冬の日にマクロ撮影へ回しています。

私の機材構成:装備とカメラ設定

野外での撮影では、それなりの量の機材を使いました。使用した機材を次のリストにまとめます。カモフラージュネット、ISO-Mate、マクロ用のライトといった補助的な道具は含めていません。

カメラ

  • Sony a6700 APS-C(メイン機)
  • Sony A1フルサイズ(比較用のみ)
  • Sony a7R IV(比較用のみ)

レンズとコンバーター

  • Sony APS-Cキット16-50mm F3.5-5.6 OSS
  • Tamron 28-75mm F2.8
  • Sony 100-400mm F4.5-5.6 GM
  • Sony 200-600mm F5.6-6.3 G
  • Sony 400mm F2.8 GM
  • テレコンバーター 1.4x

三脚と雲台

  • Rollei Rock Solid Alpha XL Mark II Carbon
  • Berlebach UNI 22C
  • Eckla-Camdiskローアングル用三脚
  • Flexshooter Pro Lever
  • Neewerのジンバル雲台

アクセサリー

  • SMALLRIG Alpha 6700ケージキット
  • SDカード:Kingston 128GB、300MB/秒
  • バッテリー:Sony NP-FZ100

野外で使うにあたり、設定でできる範囲でカメラを自分に合わせ込みました。主要な設定は次のリストにまとめてあります。

静止画の設定
  • ドライブモード:連写Hi(最高速ではない)
  • フォーカス:被写体認識あり
  • ファイル形式:ロスレス圧縮RAW
  • 特殊設定:親指AF
  • シャッター方式:メカシャッターと電子シャッターを場面で使い分け
  • カードなしレリーズ:不可
  • グリッドライン表示:入・グリッドラインの種類:3×3分割
  • 測光モード:マルチ・ホワイトバランス:オート
  • ゼブラ表示:入・ゼブラレベル:70
  • フォーカスモード:AF-C・AF-C時の優先設定:レリーズ
  • AF追従感度:4(場面に応じて3から5)
  • ISO感度範囲:100-12800・色空間:sRGB
  • 被写体認識:入・認識対象:動物/鳥、鳥、動物、昆虫(必要に応じて)
  • タッチ操作:切・電子音:切・機内モード:入
動画の設定
  • NTSC/PAL切換:NTSC(動画で120fpsを使うため)
  • ファイル形式:XAVC S 4K・解像度:4K
  • 記録フレームレート:120fps
  • 記録設定:280M 4:2:2 10bit
  • ピクチャープロファイル:S-Log3とS-CinetoneのPP
  • 録画の開始と停止:シャッターボタン
  • それ以外は静止画の設定と同じ
マクロ用のフォーカスブラケット
  • ドライブモード:フォーカスブラケット
  • 設定値:5 – 030

細部を見る:実戦でのSony a6700

ボディと操作:最初の印象

すでにソニーユーザーで、a7シリーズから来た方がSony a6700を自然写真や動画で初めて使うと、握り心地がところどころ勝手違いに感じられるはずです。ボディが小さいこと自体は驚きではありませんが、ファインダー、ダイヤル、ボタンの配置、そしてシャッターボタンの反応には、ある程度の慣れが要ります。

握り心地:a6700の手ざわり

ボディの造りと表面の質感は、ソニーらしい高い水準です。頑丈で、手に吸い付きます。性能を考えると重量は驚くほど軽く、とくにSony 100-400mm F4.5-5.6 GMと組み合わせると、総重量わずか1888gの小さなパワーパッケージになります。

サイズ:手にしたときのa6700

望遠レンズを付けたSony a6700のグリップを握る手
手の大きい方は指の置き場所を探すことになります。ある人にとっての欠点が、別の人にとっては利点になります。手が大きい場合、望遠レンズとの組み合わせはなかなか骨が折れます。

手の大きい方には、とくに望遠レンズを付けたときの取り回しが難しくなります。ボディのサイズと形状は、すべての手の大きさに合うわけではありません。Sony 200-600mm F5.6-6.3 Gや400mm F2.8 GMのような大きな望遠レンズでは、グリップとレンズの間が窮屈になります。レンズ交換にも指先の感覚と忍耐が必要です。逆に手が小さく、軽くて小さいカメラを求める方には、この点がそのまま利点になります。

上の写真で分かるとおり、グリップを少し延長するカメラケージ(SmallRig Cage Kit for Sony a6700)を導入しました。これで小指もグリップに収まります。その目的で買ったわけではないものの、結果としてこの利点が付いてきました。主な理由は、小さなボディに外部レコーダー(Atomos Ninja)を安定して固定する土台がほしかったことです。

ケージが主にカメラの「保護」や「衝撃対策」のためだという説明を、YouTubeの一部の発信者が広めています。これは誇張であり、ほとんど滑稽だと考えています。ケージはまず重量を152g増やしますし、落下時にいちばん弱いモニターやレンズを守ってくれるわけでもありません。信頼している発信者の話でも、白を黒と言いくるめられないようご注意ください。

エルゴノミクスと操作:シャッターボタン、ボタン、ダイヤル

a6700のボタンとダイヤルの配置と操作は、Sony a7シリーズを使ってきた方には慣れが必要です。前ダイヤルの位置は、素早く簡単に操作するという点では最適ではありません。第一印象のレビューSony a6700は買う価値があるのか)でも書いたとおり、距離、角度、内側に寄ったダイヤルは扱いにくいままです。かなり使い込んだ今も、この配置には強い不満が残っています。

Sony a6700とSony a7R IVを並べたサイズ比較
サイズ比較:a7R IVと並べたa6700

Sony A1を使ってきた身としては、a6700で後ダイヤルが右端にあることにも合わせる必要がありました。ここにはシャッタースピードを割り当てています。大きなボディでは、この位置に露出補正(Exposure Compensation)のダイヤルが来るのが普通です。最初は勝手が違うものの、慣れてしまえば十分に扱えます。シャッターボタンの反応はほかの手持ち機よりやや鈍く、それでも大きな欠点とは考えていません。少し思い切って押し込む、と覚えておけば済みます。

静止画と動画を素早く簡単に切り換えられる点は、このカメラの大きな長所です。大きなボディではこの機能がなく、そのたびに惜しく感じます。ファインダーから目を離さずにモードを行き来できるので、実際とても便利です。ただし小さな難点も残ります。静止画と動画の切換ダイヤルを操作した拍子に撮影モードダイヤルまで回してしまい、マニュアルから「Sモード」に変わっていたことが何度かありました。このダイヤルには中央ロック(Central Post Lock)がないため、油断すると一瞬で撮影を台無しにしかねません。こうした失敗を避けるには、意識した操作が必要です。

AF-ONボタンは位置が良く、ほかのボタンより大きいので、親指AFに割り当てるのに向いています。野生動物撮影では特にありがたい点です。欲を言えば、隣にもうひとつボタンがあり、別のフォーカスエリアを割り当てられるとよかったところです。大きなボディではそのように設定しており、「ゾーン」と「スポットS」をメニューに入らずに切り換えられます。枝の隙間越しなど、ピントを一点に置きたい場面でこれが非常に効きます。

技術面の詳細:ファインダー、モニターなど

ファインダーとモニターが見えるSony a6700の背面

ファインダーをのぞく

写真ですでにお気づきかもしれませんが、Sony a6700のファインダーはボディの左端にあります。飛翔中の鳥のように小さくて速い被写体をファインダー内に留めるとき、これが難しさになります。目がセンサーとレンズの延長線上になく、その横から見る形になるためです。ファインダーをのぞくたび、脳が向きを取り直すことになります。少なくとも自分にはそう感じられました。実際、飛びものを初めて狙う人のようなぎこちなさが出ました。

ここにクロップファクターが加わり、望遠レンズではさらに条件が厳しくなります。600mmのレンズなら、フルサイズ換算で900mmの画角になります。ボディ左側にある小さめのファインダーで、動いている被写体をこの画角に入れるのは骨の折れる作業です。

Sony a7シリーズのユーザーとしては、APS-C機のボディと操作感がa7シリーズと揃っていてほしいと思います。用途ごとに設計された機種であっても、ボディの作法が共通していれば取り回しはずっと楽になります。もちろん、これは個人的な願望にすぎません。

一方で、このファインダー配置を高く評価するユーザーもいます。とくに右目でのぞく場合、余裕が生まれるからです。鼻がモニターに触れず、タッチパネル有効時のいわゆる鼻フォーカスも起きにくくなります。左目でのぞく撮影者にとっては、カメラを操作する右手のスペースが広がるので、この配置の恩恵はさらに大きくなります。

バリアングル、タッチパネル、モニター:進化か障害か

バリアングルモニターを開いたSony a6700
バリアングルモニターを開いたSony a6700

a6700はバリアングルモニターを備えており、これは主にVlog撮影者に向いた仕様です。カメラの前に立って自分の映りを確認できるからです。その用途が必要な方には明確な利点になります。個人的には、a7シリーズのほぼ全機種にあるチルトモニターのほうが好みです。野外での撮影と動画には、そちらのほうが合うと感じています。

Sony a7R Vのようなチルトとバリアングルの両立が、自分には理想です。バリアングルは、とにかく急ぐ場面で手間取ります。チルトなら一動作で素早く引き出せます。バリアングルはもう一手間かかります。まず横に開き、それから見たい角度に回す必要があるからです。結果としてモニターがボディの横に張り出し、野外では破損の危険が増えるうえ、センサーとレンズの延長線から外れた位置で画面を見ることになります。

a6700のモニターは、望むならタッチパネルとしても操作に使えます。誤操作を避けたい場合は無効にすることも可能です。自分の使い方では屋内のマクロ撮影で役立つ程度で、それ以外に必要な操作はすべてボディのボタンに割り当てています。

記録と呼び出し:SDカードスロット、バッファー、メニュー

Sony a6700のメニュー画面とSDカードスロット

a6700のメニュー構成は新しい世代の機種と同じ作りで、細かな改良がいくつか入っています。自分の使い方では大きな違いにならなかったので、この話題はここまでにします。

もっと興味深いのは、このカメラのバッファー一時記憶)です。連写時の書き出しが速く、それでも押しっぱなしで約5秒たつと限界に達します。その後も撮影自体は続きますが、コマ速は落ちます。データはSDカードへ手早く送られるので、ほどなく最高速の連写に戻れます。連写主体の撮影では効いてくる部分で、ここは素直に優秀だと感じました。

注意しておきたいのは、a6700のSDカードスロットが1基だけである点です。2枚目のカードへ同時記録できないため、データの安全性という観点では無視できません。カードが壊れれば、すべてのデータが戻らないまま消えます。とくに職業として撮る方には深刻な問題になり得ます。費用をかけた撮影旅行の最中にそれが起きる場面を考えれば、なおさらです。

a6700のクロップファクター

a6700のクロップファクターの図解。フルサイズ、APS-C、動画クロップの比較
静止画と4K/120fps動画でのa6700のクロップファクター。段階はフルサイズ、APS-C(赤い枠)、動画クロップ(黄色い枠)

ここでSony a6700のクロップファクターを見ていきます。あわせて、4Kで毎秒120コマの動画を撮るときに起きる、自分が「スーパークロップファクター」と呼んでいる現象にも触れます。クロップファクターとは、カメラのセンサーサイズがフルサイズに対してどのような比率にあるかを示す数値です。フルサイズ機ではx1.0、APS-C機のSony a6700ではx1.5になります。

フルサイズ機のSony a7R IVにSony 100-400mm F4.5-5.6 GMを付け、400mmで撮る場面を思い浮かべてください。この写真が基準になります(係数x1.0)。同じレンズ、同じ距離、同じ被写体をSony a6700で撮ると、画角はフルサイズ機に600mmを付けた状態に相当します。理由はこうです。a6700のAPS-Cセンサーは、フルサイズセンサーより小さいからです。

  • 計算すると次のようになります 400mm × クロップファクター1.5 = 600mm

ここで押さえておきたいのは、クロップファクターが焦点距離を変えるのではなく、画角を狭めるだけだという点です。見え方としては、フルサイズ機に600mmを付けたときと同じになります。

次に、4K 120fpsで記録するときのSony a6700の「スーパークロップファクター」を見ていきます。ここで加わるのがx1.59のクロップファクターです。もう一度100-400mmのレンズで考えてみます。

  • APS-Cセンサーのクロップファクター1.5により、画角は150mmから600mm相当になります
  • 4K 120fpsの記録では、さらにx1.59のクロップファクターが加わります
  • 画角はフルサイズ機に238-954mmのレンズを付けた状態に相当します
  • 式にすると:400mm × 1.5 × 1.59 = 954mm

画角にどう効くかは、クロップファクターを図示した上の写真で確認できます。a7R IVで撮った1枚とa6700で撮った1枚を重ね合わせたものです。

ファームウェアアップデートの適用

Sony a6700のファームウェアアップデートは、特に気に入っている部分です。a7シリーズなどほかのソニー機と比べると、a6700の手順は驚くほど簡単で、ほかのメーカーで慣れた流れとほぼ同じです。アップデートファイルをダウンロードし、SDカードに保存してカメラに挿し、カメラのメニューから実行すれば終わりです。手間のない、明快で速い手順になっています。

a7R IVやA1の更新となると話は別で、かかる時間もはるかに長く、1時間近くになることも珍しくありません。こちらはPCやノートPCのソフトウェア経由で書き込みます。MacBook Pro Siliconの場合はさらに面倒で、まず各種のセキュリティ設定を変更する必要があり、そのたびに再起動が要ります。システム側でもいくつか設定を変えて、ようやく書き込みに進めます。終わったら設定をすべて元に戻さなければなりません。この一連の流れは非常に煩わしく、ソニーの見せ場とは言えない部分です。

そのため、ファームウェアの書き込みという一点だけで見れば、a6700は手持ちのカメラのなかで文句なしの一番です。

実戦でのa6700:性能と画質

フィールドで使用するSony a6700

音を出すか消すか:電子シャッター

実際に使ってみると、連写時の電子シャッターは扱いが難しく、とくに飛びものを狙う場面で苦しくなります。AF-Cでの連写では、ピントのハンチングが出ました。メカシャッターのほうは、どの場面でも安定した結果を返してきます。静かな条件なら電子シャッターでも同等に撮れるものの、静音レリーズが不可欠になった野生動物撮影では、これは明確な弱点です。メカシャッターの摩耗も考えておくべき要素で、寿命にも下取り価格にも響きます。ここは自分にとって明らかなマイナス点です。

電子シャッターで撮ると、ローリングシャッターの歪みは写真上でもはっきり分かります。飛翔中のハクチョウを狙った1枚が例です。水面の映り込みで木が傾いている点は、効果として取り込めるので気になりません。それでも、動きの速い被写体全般で何が起きるかは十分に読み取れます。

a6700の電子シャッターで撮影した飛翔中のハクチョウに出たローリングシャッター歪み
電子シャッターでのローリングシャッター歪み:飛翔中のハクチョウ

ピントまわり:AI被写体認識、AF、フォーカスエリア

Sony a6700で撮影や録画をするとき、内蔵のAI被写体認識とAFはたいていの場面で頼りになります。この二つは総じてよくできていて、被写体を素早く正確に捉える助けになります。ただし撮影中には、AFと被写体認識の連携が限界に達する場面もありました。とくに画面内に邪魔なものが入り込んだときです。そうした瞬間、ファインダー上では動物を認識して捕捉しているのに、ピントは甘くなります。だからこそ、撮った直後に結果を確認し、狙いどおりの解像が得られているか見ておくとよいでしょう。撮影中のファインダーでは完璧に見えても、上がりを見て落胆する場合があります。

撮影を通して、ボツ率はかなり高いという実感が残りました。ファインダーの表示から想像するほど、ピントが決まっていなかったからです。もちろん自分の操作ミスが関わった場面もあり、それはここに数えていません。この傾向はズームでも単焦点でも変わらず、すべてのテストで一貫していました。高価なレンズを付けても、体感できる差は出ませんでした。

下の作例では、左の写真でピントがヌートリアの後ろに抜けています。AI被写体認識は動物を捕捉し、フォーカス表示も合焦を知らせていました。この難しい条件でもカメラが応えられることを示すため、同じ連写のなかから成功した1枚も並べています。撮影中はファインダー越しに見ていたので、大半の写真がピンボケだったことに気づけませんでした。ふだんは被写体認識とフォーカス表示を信じて撮るからです。これは一度きりの出来事ではありませんでした。今後のファームウェアアップデートで改善、あるいは解消されるかもしれません。

ピントが外れた例

ピントが被写体の後ろに抜けたヌートリアの作例。Sony a6700

同じ連写の成功例

同じ連写から選んだピントの合ったヌートリアの作例。Sony a6700

この場面に限って言えば、a6700は少し力不足だという印象を持ちました。ここで言う力とは、複数の処理を同時にさばく演算性能のことです。連写、AF-C、AI被写体認識、データの書き込み、センサーの読み出しなどが並行して走る状態を指します。最終的な評価を下すには、もう少し経験を積む必要があります。それでも、a6700のAI被写体認識とAFが多くの可能性を開き、大半の場面でよく働いてくれたことは変わりません。

a6700のフォーカスエリアについては、この記事で細かく書くつもりはありません。飛びものと動画では、たいてい「ゾーン」を使いました。一点にピントを置きたいときは「スポットS」です。エリアの位置合わせには、少し忍耐が要りました。うっかり位置を動かしてしまうと、ファインダー内で中央に戻す方法と場所をまず探すことになります。a6700にはジョイスティックがなく、ふだんならそれでエリアを動かし、押し込んで中央に戻しています。

画質:ダイナミックレンジと解像感

キツツキの逆光作例。左は未処理、右はシャドウを持ち上げた状態
逆光作例で見るダイナミックレンジ。左がRAW、右がシャドウを持ち上げた後

ダイナミックレンジ
ダイナミックレンジでは、Sony a6700の強みが出ます。自然写真ではこれがそのまま効いてきます。ダイナミックレンジが広ければ、シャドウにもハイライトにもディテールが残るからです。残った情報は、あとからRAW現像で引き出せます。キツツキの逆光作例(上の写真)がその一例で、完全に露出アンダーの状態でした。左の写真では、予想どおり明るい空と木にとまった暗い鳥が見えます。右の写真を見ると、この画にどれだけ余力があったかが分かります。Lightroomでシャドウ(暗部)を持ち上げただけで、鳥も木も葉も、色を伴って戻ってきました。

もうひとつの例が、ザールラントでの早朝の撮影で写したカワウです。この1枚は意図せず露出アンダーになり、露出も構図も単純に失敗していました。左の写真を見れば分かります。それでも右の写真は、Sony a6700のRAWデータからどこまで引き出せるかをはっきり示しています。

RAW、露出アンダー

露出アンダーのカワウのRAWデータ。Sony a6700

現像後

RAW現像後の同じカワウの作例。Sony a6700

写真の解像感
ピントが決まり、光が足りていれば、返ってくる結果は非常に優秀です。とはいえ、キレのある写真、そこそこの写真、ピンボケの比率には100%満足できていません。ボツも相当な数になりました。ただ、こちらはSony A1の性能に甘やかされてもいます。あちらは99%近くをピント内に収めてきますが、両者は性能の次元がまったく違うので、比較としては無理があります。古いタイプの等倍鑑賞派として、61MPや50MPのセンサーの描写をAPS-Cの26MPと並べられないことにも、頭を切り替える必要がありました。そこを踏まえれば、a6700の画質は本当に高い水準にあります。

どこまで持つか:a6700のバッテリー性能

すでにソニー機材を持っている場合、a6700ではa7シリーズのバッテリーをそのまま使えます。これは大きな利点です。同梱されるのはNP-FZ100バッテリーで、充電器は付きません。ソニーの「小型」機の多くと同じ扱いです。持ち時間は使い方に大きく左右されます。静止画と動画を頻繁に切り換え、モニターを消し、使わないときはスリープに入れる運用なら、3時間ほど持ちます。ただしa6700は全般にエネルギーをよく使うので、予備バッテリーを最低1本は持っておくのが安心です。1本で丸一日をしのげるのは、その間ときどき電源を入れる程度の使い方に限られます。

RAWから仕上げまで:現像前後の比較

ここからは現像前後の作例をいくつか並べます。a6700がどのような素材を返してくるかは、見て判断していただければと思います。左がRAWデータのままの状態、右が現像を終えた写真です。

キセキレイ、未処理のRAWデータ
キセキレイ・RAW
RAW現像後のキセキレイ
キセキレイ・現像後
キタリス、未処理のRAWデータ
キタリス・RAW
RAW現像後のキタリス
キタリス・現像後
ハクチョウ、未処理のRAWデータ
ハクチョウ・RAW
RAW現像後のハクチョウ
ハクチョウ・現像後
アオサギ、未処理のRAWデータ
アオサギ・RAW
RAW現像後のアオサギ
アオサギ・現像後
アカハシハジロ、未処理のRAWデータ
アカハシハジロ・RAW
RAW現像後のアカハシハジロ
アカハシハジロ・現像後
カワセミ、未処理のRAWデータ
カワセミ・RAW
RAW現像後のカワセミ
カワセミ・現像後

動く映像:a6700での動画撮影

収録そのものは、おおむね安定して動きました。カラープロファイルにS-Log3やS-Cinetoneを選べる点も、動画を作る人には見どころです。最初はS-Log3で始め、その後S-Cinetoneに移りました。後処理での色調整(カラーグレーディング)を、当面そこまで作り込むつもりがなかったからです。色調整は時間を食う作業なので、自分にはS-Cinetoneのほうが合っていました。いくつか調整すれば、後処理はすぐ終わります。

準備中

動画は後日掲載します。現時点では、動画記録について踏み込んだ検証ができていません。a6700で野生動物の映像をもっと撮りためたら、ここに載せて詳しく書きます。

Sony a6700を使い込んだ結論

撮影から戻った望遠レンズ付きのSony a6700

a6700で優れた野生動物写真は撮れるのか

a6700で優れた野生動物写真が撮れるのか。間違いなく撮れます。a6700はAF性能と画質で十分に応えてきます。ただし、カメラにとって条件が整っていることが前提です。全体としてはハイブリッド機であり、自分はこれを野生動物専用機とは見ていません。強みが広く分散していて、特定分野の専門機という位置づけにはならないからです。

動画と写真の両方で幅広い領域をこなしたい方、たとえば映像制作、Vlog、自然、ポートレート、建築といった分野を行き来する方には、a6700は技術的に必要なものを一通り備えています。動画性能は引けを取りません。APS-Cのクロップファクターが気にならないなら、このカメラで満足できるはずです。どの方向へ進むかまだ決めかねている段階なら、いろいろな方向へ手を伸ばす助けにもなります。

約1600ユーロという価格を考えると、a6700は「低予算」向けの機種ではありません。それでも支払いに見合うものは返ってきます。ただ、この価格帯には、野生動物撮影を始める方にもっと向いたシステムもあると考えています。とはいえソニーは、a6700という良質で堅実なAPS-Cハイブリッド機を送り出しました。自分の目にはAPS-Cの「フラッグシップ」とは映らないとしても、です。そう呼ぶには、ソニーはもう一段の積み増しが必要です。ボディ、ファインダー、エルゴノミクスの改善、積層センサー、ローリングシャッター歪みの出ない電子シャッターなど、ハイエンドのAPS-C機に求めたい点はいくつも挙がります。

すでにソニー機を使う野生動物写真家にa6700は向くのか

すでにソニーのフルサイズ機とレンズで撮っている野生動物写真家にとって、この機種は機材構成を埋める一台になります。たとえばマクロ(フォーカスブラケット、APS-Cのクロップファクター)、ロケハン、旅、記録(100-400mm F4.5-5.6 GMとの軽量な組み合わせ)といった用途です。写真に加えて4Kで最大120fpsの動画を、「スーパークロップファクター」(センサークロップ1.5と動画クロップ1.59)付きで撮りたい場合にも向きます。設計どおり、小さなオールラウンダーです。

マクロのテストでは、このカメラに納得しました。スタジオの条件では扱いやすく、フォーカスブラケットは安定して良い結果を返してきます。この方向で今後どこまで広がるのか、楽しみにしています。

動画については、まだ経験が多くありません。それでも印象は一貫して良好でした。静止画のところで書いたAFの挙動は、動画でも同じように現れます。次の課題は、4K 120fpsでのa6700とA1の比較です。どこに差が出るのか、見るのが楽しみです。

初めての1台としてa6700を選ぶべきか

野生動物撮影を始めようと考えている場合、検討すべき点はいくつもあります。予算が最大の判断材料になることが多いはずです。ソニーで揃えたいなら、a6700よりも入口として適した選択肢、たとえばa7 IVがあります。良いレンズは、カメラ本体より重みを持つことが少なくありません。ですから、まずはメーカーごとのレンズの幅と質に目を向けるのが理にかなっています。自然写真のなかでどの方向へ進むか決めかねている段階なら、なおさらです。

新品で買うなら、OM-1(旧オリンパス)、ニコン、キヤノンといったメーカーも候補に入れておきたいところです。キヤノンはR7でAPS-C分野に強力な製品を投入しました。a6700より安く、野生動物撮影に効く技術的な利点も多く備えています。予算と新品購入という観点では、ここ数か月、OM-1(オリンパスのMFT機)がプロの間でもよく話題に上ります。スペック、レビュー、約2000ユーロという価格を見るかぎり、なかなか有望に聞こえます。今から自然写真を始めるとしたら、必ず詳しく見ておくシステムです。

更新2025年1月3日

野生動物撮影の入門機としてのSony a6700

その後の価格推移と出回っている売り出しによって、Sony a6700への評価は根本から変わりました。充実した機能とレンズ選択の幅を合わせて考えると、限られた予算で野生動物撮影を始めたい場合、現時点でこれが最良の選択だと考えています。

分かりやすい例がブラックフライデーの週でした。Sony a6700とSony 200-600mm F5.6-6.3 G OSSのセットが、およそ2600ユーロで売り出されたのです。この組み合わせの質を考えれば、他に並ぶもののない条件でした。

Sony 200-600mmは、性能と描写の両面で本物のパワーパッケージです。キレのある画と、動物撮影に欠かせない焦点距離の余裕で応えてきます。応用範囲も広く、Sony A1やA9 IIIのようなハイエンド機でも性能を落とさずそのまま使える点も強みです。長い目で見た投資になります。

最後にはっきり言えること

どう見たところで、Sony a6700をメイン機にすると決めた方の手に渡るのは、非常によくできた機械です。野生動物撮影においては、いくつかの妥協を伴うとしても。

Sony ILCE-6700を野生動物撮影のメイン機として買うか。
買いません。
これは手持ちのソニー機材を補ってくれる、力のある小型ハイブリッド機です。野生動物撮影のワークフローにもうまく組み込めますし、そこに定位置を得ることになるはずです。それでも、すべてを一台に賭けろと言われたら、最初の選択にはなりません。性能が足りないからではありません。ボディレイアウト、エルゴノミクス、ファインダー、SDカードスロット1基といった点が、この分野のメイン機としては自分に合わないからです。決定的な要素のひとつが読み出しの遅いセンサーと、そこから生じるローリングシャッターの問題で、これが無音撮影(電子シャッター)の使いどころを大きく狭めています。

それでもこのカメラの実力は高く、素晴らしい結果を出せます。これは口先だけの話ではありません。

この撮影で学んだこと

正直に言えば、このカメラでの撮影は楽しいものでした。とくにブラインドに入らず、自然のなかを歩き回るときです。何度か書いたとおり、a6700と100-400mm GMの組み合わせは実によくできています。総重量2kg未満で600mm相当の画角が得られるので、軽くて小さい機材を探している方には迷う理由がありません。自分にとってはロケハンに最適な組み合わせでした。

この記事を書きながら、自分の見方と評価を何度も調整し直すことになりました。手持ちのフルサイズ機と直接並べて語れば、このカメラをいくらでもけなせたからです。学んだのは、自分にとっての欠点が、別の人には利点になり得るということでした。批判の多くが握り心地に集中していることにも気づきました。承知のうえでこれをメイン機に選ぶ撮影者は、そこに折り合いをつけていくはずです。そうした方にとって、自分の指摘はさほど重みを持たないかもしれません。「大きな手小さな手」、ファインダーをのぞく「右目左目」の話も同じです。個人的な評価では優先順位が高くないとしても、知っておく価値はあります。

解像感と画素数についても、思い当たることがありました。最初に写真を見たときは、拡大するとディテールにまるで満足できなかったのです。撮影から数週間たった今は、同じ写真が違って見えます。すでに書いたとおり、26MPの描写を50MPや60MPと同じ土俵で比べることは、たいていの場合できないからです。

本当は、悪天候のなかでもっとこのカメラを追い込むつもりでいました。ところが最後のほうは、なぜかいつも晴れていました。もちろん、それに文句を言うつもりはありません。

それでは、良い光に恵まれますように。

長所と短所の詳細

長所

  • バッファーの書き出しが速い
  • 軽量
  • 静止画モードと動画モードを独立して設定できる
  • 静止画と動画の切り換えが速い
  • 4K 120fps動画とスーパークロップx1.59
  • AF性能
  • AI被写体認識
  • 画質が非常に高い
  • 動画の画質が良い
  • ダイナミックレンジが広い
  • ボディの造りが良い
  • ボタン機能を自分で割り当てられる
  • RAW形式:非圧縮とロスレス圧縮に対応
  • ファームウェアアップデートが簡単で速い
  • APS-C用とフルサイズ用のレンズを併用できる
  • マクロ撮影向けのフォーカスブラケット

短所

  • 静止画でも動画でもバッテリー消費が大きい
  • 電子シャッターでのピントのハンチングとちらつき。読み出しが遅い
  • ピント不良によるボツ率が高い
  • SDカードスロットが1基のみ
  • CFexpressスロットがない
  • ローリングシャッター歪みが大きい
  • 電子シャッターは静かな被写体でも使いどころが限られる
  • 充電器が同梱されない
  • ファインダーが小さく解像度も低い
  • 握り心地の作り込みが限定的
  • フォーカスエリア選択用のジョイスティックがない
  • 撮影モードダイヤルに中央ロックがない