マジックライト:ゴールデンアワーの野生動物撮影を計画する

ゴールデンアワーの水面を走るオオバン(Fulica atra)
オオバン(Fulica atra)

実践レポート:マジックライトで動物のシルエットを撮るプロジェクト

写真を撮る人間にとってもっとも大切なのは光です。それもただの光ではなく、ある情景を運べる光です。

そう思いませんか。

野生動物を撮るなら、使うのはほぼ自然光だけです。例外は水中撮影やマクロ撮影、それにストロボやライトなしではどうにもならない場面くらいでしょう。

この記事では、「マジックライトで動物のシルエットを撮る」というプロジェクトをどう組み立てたのかをお話しします。カメラ設定の細かな話はここでは扱いません。

目標は、ゴールデンアワーに水鳥のシルエットを収めることでした。その途中で他にも何枚か生まれたので、あわせてお見せします。まずははじめから。

進め方

  • 適した場所を探す(スカウティング)
  • 日の出と日の入りの太陽の位置を調べる

  • 日の出と日の入りの時刻
  • 適した撮影位置

適した場所を探す (スカウティング)

まず必要なのは、昇る太陽や沈む太陽の光がさえぎられない場所です。すぐ隣の森、丘、山並みなど、光を遮るものができるだけ少ない場所です。広い平地はとくに向いています。ドイツでいえば、北部のほうが山がちな南部よりも探しやすいでしょう。

私は、自分のフィールド内にあるミッテルフランケンの広い池沼地帯を選びました。日の出と日の入りの位置が、丘や山並み、樹木や森の縁に大きく遮られない場所です。

日の出の湖。太陽の光が樹木に遮られている
樹木や森の縁は光の平面を断ち切ることがある

日の出と日の入りの太陽の位置を調べる

ここが次の点です。
太陽はどこに、何時に沈み、昇るのか。シルエットには逆光が必要で、当日は日の出前に機材を組み上げておきたいからです。プロジェクトの段取りを立て、日差しを見積もるには、太陽がどこに、何時に最初に顔を出すのかを知っておくと助けになります。太陽の位置の把握は準備段階を通して続く作業で、とくにあとで撮影位置を決めるときに効いてきます。

これにはスマホのアプリが使えます。必要な情報をかなり正確に出してくれます。選択肢は多く、私が使っているのはPhotoPillsで、これはおすすめできます。太陽の位置以外にも、写真向けの機能がたくさんあります。ただしPhotoPillsは有料です。お金をかけたくなければ、無料の代替アプリもストアにそろっています。

さて、場所も決まり、太陽の位置と時刻もわかりました。残るは、狙った動物がいて、情景のある光でシルエットを収められる場所を、この池沼地帯のなかで見つけること。前提はひとつ、動物を驚かさないことです。何が何でも一枚、というやり方はしません。

適した撮影位置を探す

本番の前に、まずは場所です。前日に歩いて、地域を一通り見て回りました。あわせて、日の出のこの場所の空気も体に入れました。先に書いた点を見ながらです。光は遮られないか、太陽は地平線のどこに現れるのか。

光の条件だけではありません。どの池にどの動物がいて、どこが撮影に向くのかも、この最初の徒歩で見定めました。つまり、どの水鳥がどこに何羽いて、日の出のときどう動いているのかを見て回ったのです。最終的に選んだのは、ハクチョウ、ガン、エジプトガン、カンムリカイツブリ、カイツブリ、オオバンが集まる池でした。良い面々です。

このとき既に何枚か撮れ、機材の組み方についても最初の手ごたえを得られました。

次は、自分がうまく収まる撮影位置探しです。必要だったのは、太陽に向かって撮れる、つまり逆光をつくれる位置です。さらに、レンズを動物の目の高さに合わせられること。つまり水面すれすれから狙えることです。

選んだ池にはヨシ帯があり、一方が開けていて公道が通っていました。ここなら地面に身を置き、ヨシ帯の端を隠れに使えます。もうひとつ決め手になったのは、池の縁がほぼ水面と同じ高さだったことです。おかげで水面すれすれから撮れました。

これで準備完了です。もっとも大切な部分は終わりました。あとは、この準備が実を結ぶかどうかです。

翻日、本番の撮影に入りました。

この一枚一枚がどうだったか、手間に見合っていたか、コメントで聞かせてください。

このプロジェクトの機材(軽量カテゴリー)

  • カメラボディ 2台
  • Sony 200-600mm
  • Tamron 28-75mm
  • スマートフォン
  • ローアングル三脚
  • 雲台-Flexshooter Pro
  • マット
  • 3Dカモフラージュポンチョ