伊豆半島での野鳥撮影

長い尾をもつサンコウチョウのオスが、緑のなかの枝にとまっている。
伊豆半島の野鳥撮影 – サンコウチョウ

伊豆半島は、海のなかも陸の上も自然が多彩なところです。自然の地形が数多くあり、自然好きにはやることが尽きません。この半島が知られているのは、数ある温泉、つまり日本の名高い熱い泉だけではありません。混交林から珍しい鳥まで、目を見張る植物相と動物相もまた、この土地のものです。

この記事では、伊豆半島を巡った旅での野鳥撮影について書いていきます。

伊豆半島について知っておきたいことは、こちらの記事にまとめてあります。静岡県の伊豆半島

伊豆半島で目を引く鳥は何か

伊豆半島での野鳥撮影の計画は、事前の入念な下調べから始まりました。手がかりのある撮影地を探すこと自体が、まず込み入った作業でした。それでも、日本語のサイトから写真家やバードウォッチャーの役に立つ情報を集めてくれた妻の助けもあり、いくつかの区域まで絞り込むことができました。

撮影リストの最上位にあったのは、サンコウチョウとアオバトでした。ただ、この土地を知らないことと、時間が限られていたことが重なり、この二種を見つけて撮ることはとりわけ難しいとわかりました。ガイド付きのバードウォッチングツアーがあれば大きな助けになったはずです。しかし、その選択肢に気づいたのが遅すぎて、使うことはできませんでした。

伊豆のバードウォッチングツアーについて:
見つかったのは、地元の方が催行しているツアー一つだけでした。案内は日本語で行われるため、日本語を話さない人にとっては言葉の壁になります。使ってみたいと思う人は少なくないはずです。

そうした難しさや出だしのつまずきはありましたが、旅のあいだにサンコウチョウもアオバトもカメラに収めることができ、それどころか思っていたより多くの種を撮ることができました。

日本・伊豆の屋上テラスに立つマルクス。背後には三脚に載せたカメラ。

順を追って書きます。
宿は太平洋にじかに面した小さな漁村にありました。草木の茂る斜面に建っていて、幸いなことに広い屋上テラスがついています。そこでは、おいしいものを焼きながら、果てのない水平線を眺めることもできました。しかも、建物の建つこの斜面のおかげで、建物からそのまま鳥を撮ることまでできたのです。屋上テラスはいくつかの樹冠と同じ高さにありました。鳥を目線の高さで撮れる見込みが、それだけ高くなります。うれしいことに、宿そのものがもう、鳥の写真を何枚か手に入れるのにうってつけの場所でした。

初日から、さえずりで何種かを聞き分けることができました。調べる必要があったものもあります。イソヒヨドリ(Monticola solitarius)がそうで、この鳥はそれまで知りませんでした。とても興味深く、美しい鳥です。これについてはあとで詳しく書きます。

伊豆で撮れる鳥にはどんな種がいるか

ウグイス(Horornis diphone)
強く、よく通るさえずりで真っ先に耳に飛び込んできたのが、ウグイスでした。残念ながら、この鳥を撮ることはできませんでした。伊豆半島じゅうに広く分布していて、さえずりは遠くからでも聞こえるのですが、とても警戒心が強く、みずみずしい緑の木や茂みのなかで見つけるのは難しいのです。

この小さくすばやい鳥が、なんとかなる位置と距離に出てきた瞬間はありました。ところが、生い茂った葉のせいでオートフォーカスが合わせにくくなっていることがわかりました。加えて、こちらの備えが足りなかったことも失敗の一因でした。その瞬間が来るとは思っていなかったのです。よくある話です。

ただ、あの美しいさえずりを録音することはできました。ウグイスのさえずりがどれくらいの大きさかというと、録音はiPhoneだけで行ったと言えば伝わるでしょうか。スマートフォンのボイスメモで録音したことのある人なら、音源がマイクの近くにあるか、それなりに大きくないとうまくいかないことをご存じのはずです。録音時、鳥までの距離はおよそ15から20は離れていました。

次の音声ファイルで、ウグイスの伸びやかで力強いさえずりを聞くことができます:

日本の人にとって、ウグイスのさえずりは春の始まりを意味します。この鳥は「春告鳥(ハルツゲドリ)」、つまり「春を告げる鳥」とも呼ばれます。
春になると特徴的な力強いさえずりが聞こえるようになり、それが日本の春が本当に始まった合図とみなされるからです。

枯れた茎につかまり、頭を下に向けるメジロ。背景は緑
メジロ(Zosterops japonicus) – Sony A1 + 400mm F2.8

メジロ(Zosterops japonicus)
屋上テラスが撮らせてくれたもう一種が、メジロでした。日本で私が好きな鳥の一つで、小さくすばやい相手です。この鳥の好奇心のおかげで、短いあいだではあっても、この愛らしい小さな連れを撮り、動画に収めることができました。 – メジロについて詳しくは、私の動物図鑑をご覧ください。

黒い溶岩の上からへりごしにこちらを見るイソヒヨドリのオス。背景は緑
イソヒヨドリ(Monticola solitarius) – Sony A1 + 400mm F2.8

イソヒヨドリ(Monticola solitarius)
伊豆の宿での最初の数日に目について、美しいさえずりでこちらの注意を引いたのが、イソヒヨドリでした。この鳥はさえずりであたりを満たしただけでなく、小さな村と太平洋を隔てる堤防にも、しょっちゅう姿を見せました。この堤防は居間から直接見えて、距離は15mほどでした。

日本・伊豆。木の屋上テラスから、漁村と船のある青い入り江を望むパノラマ。
屋上テラスからの眺め。下のほうに、村沿いに続く堤防が見えます

自分にとって新しい種を見つけたときはいつもそうするのですが、観察した行動をよりよく理解するための情報を探します。狙った写真を手に入れる段になって、これがあとで効いてきます。

気になったのはこの問いでした。なぜこの鳥は、何度もこの壁に戻ってくるのか。

理由はかなり単純でした。食べ物です。この鳥は待ち伏せ型の狩りをします。だから壁の上にとまり、打ち寄せる波のあたりで昆虫を見張って、とまり場からそれに飛びかかるのです。

さらに、雌雄で見た目がはっきり二通りに分かれることにも気づきました。オスとメスでは姿がかなり違います。オスは青、黒、赤/オレンジの羽衣をまとい、メスのほうは灰色/茶色がかった黒に、明るい斑が入ります。

この鳥がときどき街灯にとまってくれたので、私にとっては、借りている部屋からそのまま撮れる願ってもない機会になりました。最初の二週間は天気がおおむね不安定で雨がちだったため、その光をハイキー撮影に使いました。鮮やかな色のオスは、それでとりわけ引き立ちます。
とはいえ、もっと光の条件のいい一枚も撮りたいと思っていて、それは数日後に島の別の場所でかないました。

イソヒヨドリ(Monticola solitarius)は、私にとって魅力のある種です。この半島で撮影して回るなら、まず外せない鳥でしょう。

明るいぼけを背に、翼を上げてくちばしを開くイソヒヨドリのオス
コンクリートのへりにとまる灰褐色のイソヒヨドリのメス。背景には青いオスがぼけて写る
白いハイキーの背景に、緑の柱にとまるイソヒヨドリのオスの横顔
濃い緑と茶色の林を背に、朽ちた枝にとまるイソヒヨドリのオス
荒れる海を背に、濡れた岩に立つクロサギ。
クロサギ(Egretta sacra) – Sony A1 + 400mm F2.8

クロサギ(Egretta sacra)

総じて、最初の数日は撮影の面でかなり順調に運びました。
次の種は、はじめは観察することしかできず、何の鳥なのかを知るには調べる必要がありました。ここでも借りていた部屋の屋上テラスがまた切り札です。そこからなら堤防ごしに楽に見渡せるのです。そこで、太平洋から突き出た岩にとまって餌を探すクロサギを見つけました。
このときは写真になりませんでしたが、こういうサギがいると知れたことが興味深かったです。二週間後に、この種を撮る機会がめぐってきました。

撮影から戻るたび、家に入る前にはいつもカメラをつかんで堤防の壁ごしに見渡していました。あのクロサギが見えないかと思ってのことです。あの鳥はきっとこの場所で何度も餌を探しているはずだと考えたからでした。実際そのとおりで、曇り空に小雨の降る日に、堤防からサギを撮り、短く動画に収めることができました。
残念ながら目線の高さまで下りることはできませんでした。海の石の浜へは下りられないからです。ただ、こういうときはひとまず気にしません。背景が完璧にとろけていなくても、しっかりピントの合った一枚が手に入るなら、それで満足です。

その一週間後には、夕暮れの申し分ない光のもとで、もう一度短い出会いがありました。ただ残念なことに、クロサギは斜め後ろからしか撮れませんでした。近づいてくるこちらに気づいて、逃げてしまったのです。このサギは飛び抜けて警戒心が強い鳥でした。

岩と波のあいだに、翼を立てて降りるクロサギ。
水面すれすれを飛ぶクロサギ。

サンコウチョウ(Terpsiphone atrocaudata)

日陰の葉のなか、冠羽を立てたサンコウチョウ。
サンコウチョウ(Terpsiphone atrocaudata) – A1 + 400mm F2.8

はじめに書いたとおり、サンコウチョウはどうしても撮りたい種の一つでした。その姿はただただ心を引きます。ただ、この鳥は深い森を好むため居場所を突き止めにくく、この試みはきわめて手ごわいものになりました。妻と私は、この鳥の特徴的なさえずりが聞こえないかと願いながら、いくつもの森で何時間も過ごしました。それでも聞こえてはきませんでした。場所についての手がかりを得ようと長く調べもしましたが、そちらも実りませんでした。

ところが運よく、古いスギの密林に囲まれた人けのない神社を訪ねたとき、サンコウチョウのさえずりが聞こえてきました。思いがけない幸運で、それがこの心を引く鳥を観察し、撮ることにつながりました。

本当に運がよかったのです。そこで、別の日に光の条件のいい早朝、もう一度挑むことにしました。最初の写真を撮った日は空が灰色で、鳥も深い森の奥のほうにいました。光がほとんどなく、400mm F2.8のレンズを使ってもISO12800が必要でした。そのため、光の条件のいいときにもう一度神社へ行くつもりでいました。

数日後、天気がよくなりました。日の出前に出発します。鳥にもっと近づける見込みを上げるため、迷彩のポンチョをかぶり、カメラには迷彩のネットをかけました。サンコウチョウは近くまで来ていて、それはさえずりでわかったのですが、姿は見せてくれませんでした。3時間後にあきらめ、新しい写真を撮れないまま戻りました。結局、最初に撮った写真が、この鳥から得られたただ一組のものになりました。

写真は思い描いたとおりではありませんでした。ただ、物事は別の角度から見たほうがいいこともあります。というのも、これは成功でした。どこを探せばいいのかもわからないまま、それでもサンコウチョウを観察し、撮ることができたのです。思い描いたとおりの写真にならなかったときの落胆は、ご存じの方も多いでしょう。それでも、いつ自分が成果を挙げたのかを見きわめ、それを味わうことが大切だと思います。一枚も撮れず、姿を見ることもないままドイツへ帰ることだって、ありえたのですから。

場所探しの次に大きな壁になるのが、晴れた日でも変わらない、深い森の光の少なさです。加えて、枝や茂みが画面に邪魔なものとして入り込みかねません。

この鳥そのものについてもっと知りたい方は、サンコウチョウの動物図鑑をご覧ください。

黄とオレンジの胸をもつソウシチョウが、緑のなかの枝にとまっている。
ソウシチョウ – Sony A1 + 400mm F2.8

ソウシチョウ(Leiothrix lutea)

伊豆の、草木の茂った標高700mほどの山地を歩いていたとき、ソウシチョウを撮ることができました。これもそれまで知らなかった種です。二羽が餌を探しているところを観察しました。ひなを育てているらしく、与えるための昆虫を集めていました。

この撮影で難しかったのは、やはりというべきか、光でした。日はよく照っていたのに森が直射をかなり遮っていて、写真のISO感度は12800でした。加えて、この小さくすばやい鳥を撮ること自体が一つの難所です。より速いシャッタースピードが必要で、400mm F2.8のレンズを使ってもなお骨の折れる相手でした。

ソウシチョウ(Leiothrix lutea)は活発な小鳥で、深い森の下生えを住みかにしています。黄とオレンジの胸と目を引く赤いくちばしで、すぐにそれとわかります。もともとは中国東部からヒマラヤにかけてのアジアに分布し、ハワイや日本、ヨーロッパの一部にも持ち込まれました。この美しく色鮮やかな鳥は、たいてい標高の高い地域にいて、平地の低いところではあまり見かけません。

ガビチョウ(Garrulax canorus)が枝にまっすぐとまっている。黄色いくちばしと白い眉状の線がはっきり見える。
ガビチョウ(Garrulax canorus) – Sony A1 + 400mm F2.8

ガビチョウ(Garrulax canorus)

偶然出会ったもう一種が、ガビチョウでした。ある朝、海の上の山から強い日の出を撮っていたときの、思いがけない出会いです。その早朝は空気が鳥の声で満ちていたので、帰り道でも鳥を探していました。すると、下ろした車の窓の横から、大きなさえずりが響いてきたのです。車を止めると、数秒後に、クロウタドリほどの大きさでオレンジがかって見える鳥が、道ばたの柱にとまりました。知らない種で、そのときは残念ながら撮ることができませんでした。

少しがっかりしながら車を進めると、300m先で同じさえずりをもう一度聞くことができました。車を止め、カメラを持って声のするほうへ歩きます。そこでまた運がめぐってきて、この声の大きな鳥を撮ることができました。

ガビチョウは中くらいの大きさの鳥で、クロウタドリほどの大きさがあり、深い森や下生えにすんでいます。赤茶色の体と、目のまわりの白い「めがね」が見分けどころです。さえずりは大きく長く、ほかの鳥のまねから口笛のような音、それに繰り返されることの多い硬い音まで、幅があります。もともとは中国と台湾の鳥で、持ち込まれた日本やハワイでも見ることができます。

明るい空を背に、マツの枝に横向きでとまるアオバト。
伊豆の最終日に撮ったアオバト(Treron sieboldii) – 写真はかなり大きく切り抜いています – A1 + 400mm + 1.4倍テレコン F5

アオバト(Treron sieboldii)

この旅の見どころの一つがアオバトでした。これについては別に記事を書くつもりです。心を引く、それでいて命知らずなこの鳥については、印象に残る写真と動画をたくさん撮ることができました。おもしろい事実もいくつかあります。

このハトのことは妻に教えてもらいました。ふだん、ハトが私の撮影リストの上位に来ることはありません。ところがこの命知らず、それこそ死をも恐れないようなハトは、目を引く羽衣と色鮮やかな目だけでない理由で、私の関心を引きました。

アオバトには繁殖期のあいだ、とりわけ変わった習性があります。海へ飛んでいって、塩辛い海水を飲むのです。そうやってミネラルの均衡を保っているのだろうと考えられています。ただ、これには危険が伴います。新鮮な海水を飲むために、荒れた海という、この鳥にとって危険になりうる場所へ身を置くからです。

調べてみると、このハトは泊まっていた一帯にもいるとのことでした。ただ、それは干し草の山から針を探すようなものでした。このハトは海のすぐそばで暮らしているわけではなく、朝と夕方遅くに山あいから海へ飛んできて、海水を飲むからです。地面で人のあいだを歩きながら餌を探すドバトとは、比べようもありません。しかもこのハトは野生で、警戒心が強いのです。

この鳥を観察できるという場所は見つかったのですが、そこはもう伊豆半島ではありませんでした。その場所は横浜寄りで、東京への帰り道にあたります。そこで帰りの経路に組み入れて、運を試してみることにしました。

ところが偶然にも、伊豆半島のジオパークを歩いていた最終日の夕方に、アオバトを撮ることができました。これは格別の幸運でした。木のてっぺんにハトらしい姿を見つけて、妻に「あそこに緑のハトがいる」と冗談を言ったのです。撮った写真をカメラで確かめてみると、本当にアオバトでした。二人とも思ってもみないことで、これは本当にすばらしい出来事でした。

アオバトと、海水を飲むときの大胆で動きのある行動については、別の記事で書きます。

このハトについてもっと知りたい方には、詳しくまとめたアオバト(Treron sieboldii)の動物図鑑をおすすめします

ターコイズ色の海を背に、黒い火山岩の上に立つアオバト。
青空を背に飛ぶアオバトの群れ。手前の一羽にピントが合っている。
青空を背に、黄色い頭を見せて横向きに飛ぶアオバト。
灰色の空を背に、頭を下げて滑空するトビ
夕暮れのトビ – Sony A1 + 400mm + 1.4倍テレコン F5

トビ(Milvus migrans lineatus、Black-eared Kite)

トビは「Black-eared Kite」の名でも知られ、日本ではよく見かけます。この鳥は、ドイツにもいるトビの仲間のなかで最も大きな亜種の一つです。伊豆半島の旅では、いろいろな場所でこの猛禽を撮ることができました。小鳥に比べれば、観察するのも撮るのもかなり簡単です。

詳しくはトビ(Milvus migrans lineatus、Black-eared Kite)の図鑑をご覧ください

日本・伊豆。伊豆のジオパークの暗い溶岩の崖に波が打ち寄せ、その上を鳥の影が舞う。
ジオパーク 城ヶ崎海岸 – Sony a7 RIV + Tamron 28-75mm F2.8

伊豆半島の太平洋岸を歩いて見たもの

日本・伊豆半島でのそのほかの観察は、城ヶ崎海岸を歩いたときのものです。城ヶ崎海岸は、海へ切り立って落ちる火山の崖で知られています。この一帯には見晴らしのいい場所がいくつもあり、多様な植物と動物のすみかにもなっています。ここではアマツバメをはじめ、さらに多くの鳥を撮ることができました。

暗い背景を飛ぶアマツバメ。のどの明るい斑が見えている。
アマツバメ(Apus pacificus) – Sony A1 + 400mm F2.8

アマツバメ(Apus pacificus)

アマツバメの目を引く群れは、遠くからもそれとわかりました。太平洋岸の海から突き出た、火山活動でできた岩の上を、低く舞っていたのです。

この火山性の岩には、わりあい近くまで寄ることができました。そのとき大事なのは、つまずいてけがをしたり機材を壊したりしないよう、鋭くとがった足元に気をつけることです。これを書いておくのは、そこにいた観光客の何人かが、開いた靴で、まるでアスファルトの上を歩くようにここを歩くという失敗をしていたからです。おかげで痛い目に遭っていました。幸い、重いけがをした人はいませんでしたが、際どい場面もあり、鋭い石に頭を打ちつけるのをかろうじて防げたこともありました。ですから、いつもふさわしい靴を持っていくことです。安全についての説教はこのくらいにしておきます。:-)

アマツバメの撮影はかなりの難所でした。一つには、この鳥が息をのむ速さで、思いがけない向きに折れながら飛ぶこと。ドイツのツバメで知っているのと似ています。もう一つには、背景が明るい側と暗い側にたえず変わることで、そのせいでオートフォーカスは、どちらかといえば茶色いこの鳥に合わせにくくなっていました。

400mm F2.8のレンズと、1.4倍のテレコンバーターも使って、数百枚を撮りました。テレコンを付けると実際の焦点距離は560mm、F5になります。そのなかから、いい一枚を何枚か得ることができました。

アマツバメはアマツバメ科の、大きく色の濃い鳥です。全長17〜18cm、体重はおよそ30〜40gで、長い鎌形の翼と、目を引く深い二股の尾をもちます。この尾は飛びながらよく開かれ、向きを変えるときにはとくに目立つ部分です。羽衣は主に黒く、胴の白い帯と、のどの明るい斑が際立ちます。

泡立つ水の上、岩壁のそばを飛び抜けるアマツバメ。
明るい空を背に、鎌形の翼を広げて飛ぶアマツバメ。
コゲラ(Yungipicus kizuki)が枝につかまり、尾を支えにしている。背景は明るい。
コゲラ(Yungipicus kizuki) – Sony A1 + 400mm F2.8

コゲラ(Yungipicus kizuki)

この小さなキツツキは、年の初めに東京で撮ろうと決めていたのですが、そのときは思うような一枚になりませんでした。今回も望みどおりとまではいきませんでしたが、以前よりははっきりよくなりました。
ドイツのことわざにあるとおり、「リスも苦労して食べていく」といったところです。

コゲラは小さなキツツキで、丸い頭と短いくちばしが特徴です。オスもメスも、明るく薄い縞の入った腹と、背中の白い縞をもちます。ただし、眉のうしろに小さな赤い斑があるのはオスだけです。餌を探すとき、コゲラはほかのキツツキには細すぎるような、細い小枝や大きく張り出した枝によくいます。そこに逆さにぶら下がる姿は、ヨーロッパのゴジュウカラに似ています。

赤茶色ののどをもつコジュケイ(Bambusicola thoracicus)が、ピンクの花の咲く密な緑のなかからのぞいている
コジュケイ(Bambusicola thoracicus) – Sony A1 + 400mm F2.8

コジュケイ(Bambusicola thoracicus)

城ヶ崎海岸を歩き終えるころ、二羽のコジュケイが文字どおり目の前を横切りました。歩道沿いの丈の高い緑の帯から横に出てきたので、こちらが近づいたことに驚いたのでしょう。すぐに逃げはしなかったものの、警戒はしていました。それでも何枚か撮ることはでき、ただ写真のぼけは望みどおりとはいきませんでした。

この色鮮やかなキジの仲間は竹林でよく見られますが、ほかにも茂みの多い半開けた環境にいろいろすんでいます。青みがかった灰色の額と胸、オレンジ色の頬と胸帯、そして褐色がかった黄色の脇腹に入る大きな黒い斑という組み合わせで、この種は分布域のなかで見まちがえようがありません。

伊豆でのそのほかの観察と、その難しさ

伊豆の旅では、妻と私で印象に残る観察をたくさんすることができました。思い描いたとおりに撮れなかったものもありますが、また行く理由が要るというものです。:-)

見たいと思っていた鳥は、すべてレンズに収めることができました。ただ、思っていたより難しくはありました。鳥はしばしばとても警戒心が強かったのです。加えて、2023年のドイツと同じように、鳥の数が大きく減っているという印象を受けました。この見方は日本でも見えてきたもので、地元の方との会話でも裏づけられました。

この半島は、動物であれ風景であれ、自然を撮る人にはぜひおすすめしたい場所です。この地域には見どころが多く、人口が少ないぶん、歩みもゆっくりになります。

観察できたそのほかの鳥を、以下にまとめておきます。